黒戸尾根登らずして、甲斐駒語るべからず。

2016.8.19

 

さて話は先週の金曜。タイトルにあるように甲斐駒ヶ岳は黒戸尾根ピストンに行ってまいりました。

かねてから甲斐駒ヶ岳に憧れていたスタッフ、そこに登るときは必ず黒戸尾根ピストンと心に決めておりました。

しかし、いかんせん岩場・梯子・鎖場の障害3兄弟に不馴れなため一人では不安かつ危険。かといって黒戸尾根を一緒に登ってくれそうな友だちもおらず(寂しいやつめ)。

 

こうなったら大ベテランの花立オヤジーズに頼むしかない…!!

 

 

ちゅーわけで、提案しました。

返事はあっさりOK!

 

 

 

が   し     か      し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「日帰りで行けるねぇ~」(60歳・男性)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へっ。

あれ。黒戸尾根って日帰りで行くところなのかな。あれ。

色々なお客様から黒戸尾根の話は伺ったことがあるけど、日帰りで行ってた方はいなかった よ   う    な。

 

ま、いっか!

 

 

次なる疑問が浮かぶ前に甲斐駒に登れること、そしてなにより黒戸尾根から行けることがとにかく嬉しかったスタッフ。

 

よっしゃーー!行きましょう!日帰りで!

 

大量に分泌されたアドレナリンに疑問は全て揉み消され完全に舞い上がっていました。

 

 

黒戸尾根をご存知の方はうすうす気付いていることでしょう。

ええ。この後盛大に後悔します。笑

 

 

花立山荘から帰宅して早速南ア北部の地図を開き、コースタイムを確認して驚愕。

思わず一人で「あっはん」とか言ってました。キモ~イ。

 

これは…これはあかん。コースタイムで登り9:10だと。休憩含めたらどうなる。おまけにひたすら登りと聞いている。

そしてパーティーはただのエロオヤジでも登山に関しては別格の鉄人エロオヤジ×2。このままでついていけるのか。

いやいやいや。提案した以上ついていかねばならん。

完全にワクワクより不安が勝ったスタッフ、とにかくここ1ヶ月は黒戸尾根に向けてのトレーニングに勤しみ、当日を迎えました。

 

 

18夜に集合、登山口の駐車場で仮眠をとります。

そして早朝4:10、長い長いアタック開始です!

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守さん・めぐ・エノモト先生といつもの順で山頂を目指します。

覚悟はしていましたが、黒戸尾根、やはり長かった。

体が登りに順応するまで頭のなかは不安と弱音でキャパオーバー。

2時間かからない位で最初の分岐を越え、笹ノ平を歩く頃には普段通りのテンポでさくさく進むことができ、第一不安要素・刃渡りもあっさりクリア。

これは行けるぞ…!

そんな希望を見事にもみ消してくださったのが、五合目越えてからの障害三兄弟の連発でした。

 

梯子なっっっが!!!!!!!!!

鎖場きた…え、あとでここ下るんだよね…?

ちょっとまってこの岩場ホントに怖い。下見えないじゃん。

アーもうなんだこれ。歩いたことないよこんな道。

うは!またきたなんだこの岩場!!!落ちたら絶対死ぬ~~よくわかんなくて段々楽しくなってきた。

 

アドベンチャー映画に出てきてもおかしくないその道のりに一度は揉み消された希望が、ある種の快楽として脳内に溢れてきました。

 

曇りのため展望はほぼなし。気の紛れるものもなく、ひたすらルートと向き合う数時間。

どこに足を置くのが最適か、自分の足の長さや柔軟性を考慮した上での確実な一歩を常に模索しながら、着々と山頂までの距離を縮めていきました。

 

まだか、山頂は。

いつになったらその御身を晒してくださる。

ひたすらに砂礫を踏みしめガスで見えない前方へ顔を向けると、

霧の奥にうっすらと、天を貫かんとする鋭い峰が、荘厳な雰囲気を纏い堂々と姿を現しました。

下界でずっと眺めていた憧れの山。

ついにその山頂に立てる日がくるとは。

 

スタートから6時間50分、ついに甲斐駒ヶ岳登頂です!

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ながかったぁ~~~~!

 

喜びもつかの間、今度は下りが待っています。

山頂で20分ほど休憩・気合いを入れ直し、来た道へと足を向けました。

 

 

 

再び登山口に戻ってきたのは16:15、往復でもかなりコースタイムを上回ることができました。

守さんの牽引とエノモト先生の後ろからのフォロー、この二つがあったからこその結果。

改めて二人のパワーを痛感、なにより一緒に行けたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

 

守さん、エノモト先生、念願叶えてくださり本当にありがとうございました!

 

我ながら成長できた山行でした。