その一言が繋ぐ、繋がる。

10月入りましたね~いよいよ秋本番です!

みなさま紅葉登山は行かれたでしょうか?誰かと山トークしながらお酒が飲みたいブログ担当です。根は真面目なのでノンアルコールビール飲みながら更新しています。

 

 

3連休もあっという間に最終日。お休みってなんでこんなすぐ終わっちゃうの…。この連休は小屋スタッフの浮気が多発しました。

 

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カナブンは常連さんと雨飾山へ

(まいどお馴染みこのポーズ)

着々と100名山をこなしていくアニキ!

 

 

ダジャレ王・オーハラ氏は八海山

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初日(10/7)はお天気悪かったみたい…

 

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でも、今日は恵まれたもよう。

よかった!そして登頂おめでとう!

 

 

最後にブログ担当の浮気相手は…

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北岳でした。3年ぶり!

 

というわけで、今回は(むしろ今回も?)山荘を離れ出張Ver.をお届けします。

最後に小屋のイベント告知もございますのでよかったらお付き合いくださいな。めんどくさがりな方は山行報告はすっとばしてどうかイベント告知だけはご確認下さい。

ではいってみましょうっっっ

 

 

 

2018.10.7

 

今年の目標の1つ、日帰り単独北岳。

北岳は3年前に守さんバースデー山行でも登頂し、その様子はこのブログでも書かせていただきました。

「日帰りで行くならこのルートがいいよ」とオーナー・守さんに助言をいただき、気合いも十分!でしたが…天気がなかなか安定せず足踏み状態。

9月中旬あたりを予定していましたが、この連休でやっと実行に移すことができました。

 

 

甲府駅始発のバスに乗り込み、目指すは南アルプスの玄関・広河原。車窓からの風景は間違いなくいい天気で、これは山頂からの景色が楽しみだ~!と気分は最高潮でした。

 

広河原に着くや否やビジターセンターへ飛び込み準備を整えていると、ピンポンパンポン、と館内放送が。

 

 

「現在、北岳山頂にて非常に強い強風が吹いているとの情報が入っています。稜線を歩かれる際は十分に気をつけてください」

 

 

 

ふーん。『強い強風』って、なんか『頭痛が痛い』みたいな表現だなぁ(笑)

 

 

 

 

 

ん…北岳?

え、うそでしょ

だって天気よか っ た   よ        ね

 

朝食用のゼリーを急いで体内に流し込み、靴ひもを締め、ザックを定位置に装着してセンターを飛び出すと。

 

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ずーーーん

うわぁぁぁあぁ嘘だぁぁあ

 

 

なんということでしょう。他は晴れてるのに、北「だけ」雲隠れしてるではありませんか。(某リフォーム番組風)

 

いきなり出鼻をくじかれ意気消沈。き、今日は高山トレーニングに来たと言うことで…ウン、ガンバロウ……ひょろろ(魂ぬけた)

前日にデータ整理をしておいたミラーレスカメラが急激に重くなった気がしました。

 

うぇーい、と空元気な掛け声をこっそりつぶやき、北岳の入り口のトレードマークである吊り橋からアタック開始です。

 

 

登りは大樺沢を進み分岐で左俣へ、八本歯のコルを越え山頂のルート。

…しかしやはり標高第2位、その人気を甘く見ていました。

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ひ、人が……多ひ………

(この写真だと少なく見えますが)

 

 

大樺沢では何度か渋滞にはまり、自分のペースで歩けない状態が続きます。しかも道幅が絶妙に狭い。追い越すには接触のおそれがあり、前を行く方が気を遣って道を譲ってくれる以外は周りに合わせて歩くことに。渋滞も踏まえた計画を立てることの重要性を改めて噛み締めました(普段どんだけ人のいない山登ってんだよ)。

 

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進んでも進んでも、一向に晴れる気配のない山頂。雄大なバットレスを拝むことも許されず、モクモクと歩き続けます。前を歩くお兄さん3人組が大荷物なのにハイペースで金魚のフンのごとくくっついていったのはここだけの話ね。

 

 

さ、分岐に到着!

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やっぱり山頂はミエナイ…

広河原にいたときよりはまし?う~ん

二俣分岐では、右俣の方へほんのチョロっと行くとバイオトイレがあるので便利ですね。呼吸を整え、ガレガレした左俣を進みます。

 

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…とと、数十メートル進んだところで、先ほどまで前を歩いていたおにーちゃんず(楽しそうに小休止してた)から掛け声が。「すみませーーーん!ケータイ落としてないですかーーー?!」

でっっっ、それは一大事!…あでも胸ポケットにしっかり収まってる。「だいじょぶ!ちがいまーーーす!」とばかでかい声で返すという些細なやり取りがあったのですが、これがのちのち別の方にとって大事な情報となりました。

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さぁ、左俣から目指すは八本歯。ここからはひたすら登り続けます。ものすごい急坂があるというわけではないのですが、いかんせんとにかく登り。だらだら登りがだらたら続く。じわりじわりと体力を奪い、脚を疲弊させます。

 

でも後ろを振り返ると…

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雄大な鳳凰三山が背中を後押し!

…( θεθ ` )

 

いーなあぁ向こうめっちゃ晴れてる…

今日鳳凰行ってる人羨ましいなぁ…

んぐううぅぅぅ北岳ええぇぇぇ

 

とまぁ本心はだいぶイジイジしてました。すんません。ひねくれ者とはこういうのを言います。

 

どこぞの有名ぼやきキャッチャーの如く心の中でぶちぶち呟きながらもくもくあるいていると…あれ、なんか見覚えのある後ろ姿が。

 

 

年季の入ったザック

たぶん上下ジャージ

靴だけはちゃんとしてる(失礼)

あの背格好…

 

 

 

エノモト先生?!?!?!?!?!

ぶはっっっ( *ε*   )っっっっ

 

このブログの真面目担当ことエノモト先生。…いや結論からいうと赤の他人だったんですけどね。もう本当にソックリで、ソックリさん特集番組からオファー出そうなくらい似てました。今度は偽エノモト先生の背中を追うように登っていきます。

 

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この道標でエノモト先生(偽)は小休止。

 

こんにちは!とこちらから言う前にお声掛けしてくださいました。潰れたパン?を食べてる姿もザ・エノモト。先生元気かなぁ。ここで前後交替しスタッフが先に歩きはじめましたが、

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木の階段(はしご?)を登ったところで現れたバットレスに大興奮、写真を撮りまくっている間に抜かれてました。地元の方なのだろうか…。

 

 

山頂はまだガスに覆われているけど、周囲は青空。八本歯のコルに出た時は鳳凰三山はじめ絶景が飛び込んできました。

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風強い!けど爽快!

 

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あっちがボーコン沢かぁ。

吊尾根も歩いてみたい!

 

このままいけば山頂のガスもとれるんじゃないかな?そんな希望の持てる景色に、気力体力が一気に回復。ここから一気に飛ばそう!

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なんつて、景色よすぎて飛ばせない。

 

眠れる獅子状態だったカメラが覚醒し、歩いちゃ止まり、歩いちゃ止まりを繰り返す。ほら、山頂のガス晴れないかもしれないから、今のうちに。

たまたま鉢合わせたソロ山行×3で写真を撮り合うことも。

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富士山見えたうぇーいっ

 

 

 

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楽しいなぁ、きれいだなぁ、楽しいなぁ~とのこのこ登っていると、かわいらしいカップルのおねえさんが私をちらちら見てくるではないですか。おっ、写真かな?ぜひぜひ撮ります、写真頼まれるの大好き!

 

彼氏さんと顔を見合わせたあと、「あの…すみません…」ときたわけです。これは写真撮りたくなる景色だもんね!

いいですよと言う準備、そしてカメラを受けとるべく手を差し出そうとしたら、

 

「ケータイ、みませんでしたか…」

 

あれ、写真じゃなかっ……

え、今なんて言った。けーたい。

 

…………ケータイ!!!

 

 

「んうぅぅ見てないけど知ってる!

知ってます!!」

 

 

この回答にすんごいポカンとした顔をさせてしまいました。そらそーだ。見てないけど知ってるて何やねん。

事情を説明すると、ちょっと安心したような顔のふたり。ただ二俣となるとだいぶ下らないといけないし、そもそもあのおにーちゃん3人組がその後ケータイをどうしたかはわからない。伝えられることだけ伝え、先に山頂を目指しました。この後また山頂で再会するのですが、「貴重な情報をありがとうございました」と改めて御礼を言ってくださいました。無事に見つかったといいなぁ。

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さぁ、ここが登り最後の分岐。

そして3年前も通った見覚えのある道。

山頂は目前だ。

 

 

守さんを追って歩いた北岳直下の稜線。

風が強く、行く先はガスに覆われた状態。追いかけていた頼もしい後ろ姿はもちろん無い。自分の脚を信じて、時には四つん這いで風に耐えつつ、ラストスパートを1歩ずつ登っていく。

 

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見覚えのある鎖に安心感を覚え、山頂が近いことを確信します。もちろん油断は大敵ですが。

集中して慎重に、確実に前へ。

 

 

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「みえた…」

ガスの中から現れた山頂に、思わず言葉が出ました。込み上げてくる達成感に泣きそうになりながら、ついにこの瞬間が。

 

 

 

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北岳山頂、いただきました!

(…偽エノモト先生写っとる)

 

 

相変わらず強風&ガスガスでしたが、なんとなくグレーからうっすら水色に。これは粘れば晴れるかも…?

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旅のお供と三角点タッチ、風避けを探し山頂をさ迷い、体温であったまったトマトジュースをすすり…そうこうしているうちに。

 

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まさに神風、ガスが晴れてきた。

 

 

そして…

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天は我らに味方した!

この景色が見たかったんだぁ。

 

 

3年前は朝早かったこともあり雲海が広がっていて、それももちろん幻想的だったのですが、この日は他の山脈も確認できる大パノラマでした。

 

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特にこの間ノ岳がお気に入り。

流れるガスを纏って神秘的だなぁ

 

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左に仙丈、右に甲斐駒も。

両手に華状態~

 

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ビスケットうめーっ

あと富士山(そっちおまけかよ)

 

 

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1時間も滞在してしまった。

大満足な山頂でした!

 

 

下山は肩ノ小屋を通って小太郎分岐を越えた先で草スベリをチョイス、白根尾池小屋を通過し麓のルート。

 

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山頂以外にも立ち寄りたかったのが、この北岳肩ノ小屋。こちらのオーナーさんと守さんがお知り合いで3年前に立ち寄ったのですが、今回もせっかくなのでご挨拶に伺ったところ色々おもてなししていただきました。

守さんとの思い出を懐かしそうに語るオーナーがとっても印象的でした。息子さんも現役トレイルランナーで活躍中とのこと。飲み物を出してくださった方も丹沢と馴染みのある方で…スタッフも雰囲気もとっても素敵な小屋だったなぁ。泊まり装備でくればよかったと激しく後悔。

お忙しい中お時間割いていただきありがとうございました。次はお酒担いでお邪魔します!

 

 

 

どんよりした朝の様子は跡形もなく吹き飛び、北岳の勇姿に再会を約束し下山しました。

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山に行くと何かしら学びがあります。

今回はコミュニケーションって大事だなと改めて感じました。(小学生かよ)

些細な挨拶でもなにかあったときの手がかりになるし、電波頼りの機器が通用しない環境では「人と話す」ことが周りと繋がるための大きな手段になる。

山5年目にもなるヤツが今更なにいってんだ…と思われそうな感想ですが、限られた環境で自分を守る手段を学べることは、利便性を優先しがちな今の時代でとても貴重な体験なのではないでしょうか。

げへへ、青二才の戯れ言なので鼻で笑ってやってください。鼻じゃ物足りない方はな腹抱えて笑ってチョンマゲ(古い)

 

 

までもこの一言に着きます。山に感謝!

 

 

 

 

 

 

さーてさて長くなってしまいました。おかげでノンアルビール2本あけましたよ。ここまで読んでくださった方に感謝です。

 

 

でもいいですかここからが本題ですよ!

(前置き長すぎだろ)

 

 

10月三週目といえば、毎年恒例の猪鍋パーティーが開催!今年は10/20.21です。

アルプスもいいですが、そろそろ丹沢にもスポット当ててみてはいかがですか?

おいしいご飯・あったかいお布団・名物オーナーの3拍子揃い踏み。登山初心者の方もベテランの方も、ふるってご予約ください。

 

 

ちょっと風変わりな小屋で

楽しい秋の夜を過ごしませんか。

 

 

ていうか過ごしましょう!

おまちしてます。