今年の夏山を、締めくくれ。
2017.10.9
三連休最終日。いいお天気でしたね。
気づけば10月で、まもなく高山のシーズンは終了です。
オーナー・守さんから「3000m付近の山は今週末までにしておいた方がいいよ」とアドバイスされたスタッフ、この好天を逃すわけにはいきません。
今年、もうひとつ登っておきたい山がありました。
早朝3時に起き、着替えを済ませ車で芦安へ。
芦安の市営駐車場から始発バスに乗っては広河原で乗り換え、2週間ぶりの北沢峠に着いたのは6:50頃。
今回の目的は2つ。まずは…
#南アルプスいってきた
某ミネラルウォーターのCMでお馴染みですね。
そう。
宇多田ヒ◯ルの大ファンなスタッフ、聖地巡礼のために甲斐駒ヶ岳へ赴きました。
あれっ今誰か引いた?
ま、いいや。
3週連続で南アルプス山行をお送りします。
最近浮気しすぎだろ、そろそろ大倉尾根で痛い目みやがれ!とヤジが飛んできそうですね。
申し訳ない。来週その洗礼を受ける所存です。
さーてさて、舞台は戻って南アルプスへ。
ここに来るのも慣れてきました。
臨時バスが出たおかげで早めに到着!
ちゃちゃっと支度を済ませ、7時前に出発です。
まずはじめに目指すは仙水峠。
とはいえ、北沢峠から甲斐駒へのアタックが実は初めてなスタッフ。
地図を見る限り緩やかな道が続く様子ですが、油断はせずにルートを見据えます。
右手にテント村を眺めながら澄みきった南アルプスの空気をめいっぱいに吸い込みました。
あのテントほしいな~と勝手に物色。
長衛小屋を過ぎ、小川沿いをザクザクと歩いていると…なんと早速!
この橋は!ヒッキーが渡ってたやつ!
前後に歩いている方々がいたので口には出せませんでしたが、CM同様に心の中で「うおおぉぉ」と叫んでみました。アホか。
美しい森の中を抜け、足場がちょっとゴツゴツしてきた…?と思ったら!
「#うわまじか」の場所だこれ!すげー!
ただ例のCMで彼女はこの斜面を歩いていましたが、実際正規のルートではありませんでした。いろんな意味でうわまじか。
足場の悪い道をただ黙々と歩いていると、意外にあっさりと仙水峠へ到着。
ここまでは登山というよりハイキングでした。
時計掲げてんのはいいけど何時だよ…
さぁ、ここから本格的な登りのスタートです。
次なる目的地は六合目にあたる駒津峰。
登ることに集中し、CMの件はこの辺りでスポーンと忘れます。あの興奮はいずこへ。
実際仙水峠までである程度のロケ地は制覇したような気がしました。たぶん
おっと…これまでのハイキングとは打ってかわって攻めてくるじゃないの…
一気に傾斜が増し、徐々に足取りが重くなります。
なんのこれしき。あウソ辛い。いきなり来るねぇ…
同じ南アルプスでも女王を謳う仙丈ヶ岳とは違った、鋭さを感じさせる突然の急登。
木々の間から見え隠れする山頂や摩利支天と紅葉のコントラストに癒されながら、まだかまだかと六合目を目指します。
もうすっかり秋ですね。
背中には先週歩いた地蔵のオベリスクがくっきり確認できました。
雲一つ無い青空にぐいぐい引っ張ってもらい歩いていくと…
スタートから約1:40、駒津峰に到着!
ここからの景色が絶景のなんの。
遠くそびえる富士も確認することができました。
これから立たんとす「山の団十郎」の山頂をその目に焼き付け、気合いを入れ直します。
うわーほんとイケメン!行くぞー!!
…と意気込んだのはいいのですが。
いかんせんここからは渋滞の嵐。
岩場で道幅が狭く避けるのも場所によっては難しいため、なかなか思うように前へ進めません。
巻き道より直登ルートならスムーズに行けるだろう!と踏んだスタッフ、勢いよく傾斜を増す岩場に手をかけますが…
なんとまぁ…ここも渋滞。あれっっっ
まぁいっか…時間に余裕はあるし…あー岩場楽しい~!うげっそこで止まるか~!それよりお腹すいたな、はやくチーズおかき食べたい。
だとかうんぬん、雑念を振り払うこともせずにもじょもじょと白い砂利道を歩いていると。
ひょっこり。
あ、あれ…あれ?
どーん
なんだよ「まもなく山頂~」とかもなしにいきなりかよ!いやたしかに直登ってそういう意味なんだろうけどさ!
あまりにも唐突に山頂に立ったものですから、若干拍子抜け。
でも、1年前のガスガスからは想像できなかった絶景が広がっていました!
うはーめっちゃ気持ちいい!
ここ3週間、週末いつもアタリだ!
富士山、北岳、鳳凰、仙丈、八ヶ岳、金峰、瑞牆…挙げたらキリがないほど、数多くの山の姿を確認することができました。
さーて腹ごしらえすっぺ!
青空ランチ最高~~~!
空気が美味しいとご飯も3割増しです。
チーズおかきもむさぼりました。
ふぅ。エネルギー補給十分。
そしてここからが今回甲斐駒を選んだ第2の目的にしてメインイベント。
脚力とルートファインディング能力の確認、また、守さん・榎本先生に頼りっぱなしの登山からそろそろ卒業すべく、かつて二人にお願いをして歩いた黒戸尾根を自力で下ることでした。
名残惜しくも山頂に別れを告げ、昨年歩いた長い尾根へと足を踏み入れます。
一気に人影が少なくなり、先程までの山頂の賑わいは嘘のように風の音に吸い込まれていきました。
下りはとにかく注意力。
鎖場・ハシゴが連続する黒戸尾根。
でも穂高を歩いたんだ。鑓温泉までの鎖場だって歩いた、半泣きだったけど。ましてやここは一度歩いてる。大丈夫。
これまでの山行と自分の脚を頼りに、慎重にルートをさばいていきました。
下みえねーやん。焦らずゆっくり。
通りすがりのおじちゃんが「甲斐駒アスレチック」とか言うから途中からなんか楽しくなってきた。モノは考えようですね。
個人的に好きなのがコレ。
記憶のなかで五号目あたりが登り返すんだよな…と思っていたらやっぱりその通り。
はじめにかるーく登って五合目小屋跡にでると待ってるのがこの案内。
い、いや…確かに下山道なんだけどさ…
ここ下山の中でも一番登り返すところなんだよね…うん、かわいいから許す…
登りきると、ダメ出しと言わんばかりの長い樹林帯。
特に風景も代わり映えなく、木の根に気を付けながら進んでいくと…
遠くから、ゴールを知らせる水の音。
視界に入るは見覚えのあるつり橋。
あぁ。下りてきた。やっと。
北沢峠スタートから約6時間、
無事今回のルートを完歩しました!
ラスト長かった…
いい形で今シーズンのアルプスを締めることができました。
最後に竹宇駒ヶ岳神社でお参り。願いはもちろん「安全登山」。
来シーズンもよろしくおねがいします。
さ、これでしばらく3000m近辺の山はお休み。
当面はトレーニングはじめ低山が心地よくなる季節ですね。
これはもう大倉尾根を登るしかない。
そういえば来週、大倉尾根のとある小屋でパーティーが開催されるとか?
あぁ~花立山荘の恒例・猪鍋ですか!
予約?まだまだ受付中ですよっっっ
秋の味覚に舌鼓、お腹いっぱい腹太鼓!
酔いが回ればタヌキも美女に?!
ストーブ囲んで山の夜を楽しみましょう!
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
おまけ
登山口から白州道の駅までをぽつぽつと歩いていると、下山時に抜いたおっちゃん2人組が車で追い越し際に「おねーちゃんさっき下りてたよね?!乗んなよ!」と後続車が4,5台いるにも関わらず声をかけてくださいました。
あいにく道の駅に迎えが来ていたので断ってしまいましたが、山での何気ないコミュニケーションからはじまるささやかなお心遣いに感動しました。
「大丈夫!それより後ろつまってんべ!」とろくにお礼もいえずあしらうように返してしまったことがとにかく悔やまれます。
この場を借りて御礼申し上げます。
おっちゃんズありがとう!